定期健康診断のレントゲン所見

 企業の定期健康診断が、感染対策を行った上で再開されています。今年の健診で問題になるのは、やはり新型コロナウイルスが疑われる所見の取り扱いが問題になります。肺炎が疑われる所見がどの程度出てくるのでしょうか。

定期健康診断内の胸部レントゲン検査の目的

 もともとは肺結核の早期発見のために健診を整備してきたのが、レントゲン写真だと肺がんなど肺結核以外も検出できるため、胸部レントゲンが現在のように年1回の健診に組み込まれるようになっています。

肺炎の検出される確率

 胸部レントゲンの有所見率は東京都産業保健センターの労働衛生のハンドブックから引用すると4.3%。このうち、胸部レントゲンで肺野だけでなく、心臓血管・胸膜・縦郭といった所見が半数くらいみられ、精査が必要なものはそれより少なくなります。

 要精検となったうちの数%が肺結核、肺がんで、多くはそれ以外のようです。肺炎は主な検査の目的でないためか、詳細な数値は特にありませんでした。

 異常所見は年齢とともに増え、40歳未満では非常に少なく、65歳以上で男性5-12%、女性6-8%程度ということで、症状がなくとも40歳未満で肺炎像があれば、新型コロナウイルスを疑った検査計画をすることになります。

 全国労働衛生団体連合会の胸部エックス線検査対策検討委員会報告書(2005)からの調査では有所見率6.51%、要精検率1.19%で、肺炎の所見は要精検と有所見経過観察の両方にまたがると思われ、多いと数%で肺炎疑いが生じることも起こり得ます。

安全配慮からの観点

 肺炎疑いの所見が出た場合はどうすればよいでしょうか。検査結果が出るまでは自宅待機・在宅勤務という扱いで接触を避けるようにするのがよさそうです。PCR陰性でも感染可能性があるようなら2週間自宅待機をするようにします。

 濃厚接触者が疑われる場合、在宅勤務で結果を待つことになります。

 長い経過の場合、既に感染した跡を見ていることもあるので、判断に困る際は主治医に状態評価を聞いておくほうがよさそうです。

 健診が終わってから出社可否を決めるのが業務には支障が一番なさそうですが、今の蔓延状況を考えると、今からやるのであれば健診自体を延期したほうが良いかもしれません。

(参考)胸部X線写真 鵜木友都・吉野俊平 medicina Vol.57 No.6 p894-898 

 

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