クレプトマニア

 高知東生さんの執行猶予満了や、元タレントの飲酒運転など、物質使用障害の話題がニュースで多く挙げられていますが、嗜癖行動は犯罪と絡むことが多いため、非常に多くの方が悩まされます。周囲から見たら割に合わない万引き等も問題になります。

クレプトマニア

 kleptomaniaはkleptein=盗むとmania=狂気を組み合わせた言葉で、18世紀に文献で初めて出現しました。

 万引きで逮捕されたことのある5-25%、一般人口の0.3-0.6%の有病率で、他の精神疾患と比べても少なくない数です。

 何度捕まっても反省でどうにかなるものでもなく、万引きの条件反射が成立してしまっており、他の物質使用と同様に疲れていたり感情的になっている等の状態で万引きを起こしてしまいます。

 店で捕まって厳重注意、2度目も同様、3回目に警察が入りその後送検されるなど、関わる方のレベルが段々上がっていきますが、割に合わない万引きをやはり繰り返します。

 警察24時でやる万引き主婦は依存のプロセスでやってしまっているため、テレビでは見せしめのようになってしまっているものの、嗜癖行動の面でいえば放送するのはいかがなものかと思います。

 物質使用障害と同様、背景にアルコール使用障害の家族歴、ギャンブルや嗜癖行動で「生きづらさ」が背景にあることが多く、どうせ私なんて、と自己評価が低い方をよくお見受けします。

治療

 断酒の3本柱である「通院、服薬、自助グループ」のうち、服薬の効果は検証が続いているようですが、薬で効果が見られそうなものは積極的に検討したいところです。

 自助グループは集団療法として皆でともに気づきを得ながら回復していくプログラムです。孤独が内面での引き金になるため、誰かといるだけでも再発のリスクが下がっていきます。

 学会では万引きをしてしまった店に買い取りを迷惑料の支払いを行うプログラムもあるようです。効果がありそうなものはとりあえず試してみる方針を取ることが多いです。

 あとはやってしまっても通院から脱落しない事です。報告しづらい、協力者に申し訳ない思いがあるかもしれませんが、外来では悪いニュースで叱ることはまずありません。次はどう対応するか、プランを再考しながら自分に合ったやり方を考えていければよいのですから。

コメント

タイトルとURLをコピーしました