ベンゾジアゼピン系を使わない工夫

 処方でベンゾジアゼピン系の依存の問題を大学病院での講座で聴いて以降、15年以上代替の処方はないものか検討を繰り返し行っています。特に適応障害で処方したものが副作用で大ごとになってしまった場合は目も当てられなくなってしまいます。

 睡眠薬による興奮や脱抑制、過量服薬を何度も目の当たりにしています。その中で代替処方について個別対応で有効だったものを挙げています。

 まずは生活習慣の改善として活動量を上げる、夜11時に床に就く、生活リズムを確立する等が挙げられ、その上で薬物療法を検討します。

① クエチアピン

 睡眠や鎮静作用を期待して処方することがあり、かつ抗うつ薬のように感情を煽らないので処方の候補に挙がってきます。他の抗精神病薬と同様に体重増加の懸念があるため、25mg以下の処方で使用します。

② トラゾドン

 抗うつ薬のカテゴリーに入っているものの、抗うつ作用があまりないため、情動を煽らないという意味で使っていましたが、最近の論文では害が益を上回るとのことで、中止やほかの薬剤への変更を行っています。

③ ミルタザピン

 トラゾドンと同様抗うつ薬のカテゴリーであり、情動を煽りにくいので使用することがあります。衝動性を煽ることがあるので、エネルギーがない中での使用は感情だけをあおり焦りにつながることがあり、身体の状況に応じて使う薬だと考えます。

④ レボメプロマジン・クロルプロマジン

 抗精神病薬のうち鎮静作用が強い薬です。少量でもかなりの眠気が伴い、翌日薬が残ることも多いです。「悪夢を見る」と仕事に関する生々しい夢を見た上に体にだるさが残ることもあるため、合わない場合にはほかの代替薬に切り替えることを検討しています。

⑤ 抑肝散などの漢方

 高齢者のイライラや周辺症状に使うことがある薬ですが、イライラがある・肝臓が悪い傾向がある方に使うことがあります。顆粒のため飲み心地が悪いと感じる方は続けて使うのが難しいかもしれません。

 また「体が冷える」訴えがある場合、体を温める作用の漢方を利用することがあります。補中益気湯や十全大補湯、もしくは地黄を入れたものを使用します。


 どの薬に変更するにしても、これらの薬はだるさに直結しやすいのが問題です。ベンゾジアゼピンは飲んだ後のだるさが上記の薬より少ないために使いやすいものの、依存の影響が大きいため積極的には使いづらいと思います。

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