「ただ、生きてほしい」
精神科外来をしていると、生きる意味は何か?どうやって生きていけばいいのか?といった人生の問題を一緒に考えることが少なくありません。
答えは自分で出していただきます。ただ、そこに向き合うだけの情報や人生観など、自分のあるだけの情報を出した上で、時には医局や非常勤で来ている年上の先生の意見も聞きながら答えを出していきます。
年下であれば自分自身の経験や体験談もいいでしょうが、年上の方になると自分の体験など足元にも及びません。外来では語られない経験や名誉も積み重ねています。経験にない言葉では言葉の土台がないために足元を見られてしまい、せっかくの時間を割いてきてもらった外来で落胆させる結果になってしまいます。名言をうまく織り交ぜることもありますが、漠然とした死を抱えた方に対して言葉に詰まった場合、冒頭の言葉を使います。出口は自分で考えてもらいますが、答えが出るまで、出たとしても私はあなたを失いたくない。
その気持ちを一言お伝えし、できる手はとにかく打っていきます。
夏場から続いた自死報道に、自分ができることはないのかもしれない。でも支援者として外来でお会いしていない方にこの言葉をお伝えします。
夜は良くないことを考えがちです。お風呂や飲み物で体を温めてゆっくり休んでくださいね。
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