生活リズム不安定時の復帰可否の考え方

 職場復帰判定の際に、「生活記録」を作ってもらうケースが多いです。生活リズムが整い、状態悪化の振り返りが本人の中でできている(ケースによっては除外)、昼間眠気がない状態であれば復帰可能として問題ないですが、復帰に迷うケースも少なくありません。

 朝起きれないケースは、調子が良くないから起きれない、薬が強い・朝まで残っているのであれば業務に支障が出るため復帰見送りとします。

 一方で、やることがないから遅くなるケースでは、自分でスケジュールを組み立てるのが難しく、やたらと休業を延長するよりも早々に職場復帰させた方が仕事の勘が戻りやすいです。

 上記について、見た目ではわからないため専門家の意見が必要になります。この場面では産業医や産業保健スタッフの意見が参考になりますが、どのようなことをもとに判定すればよいのでしょうか。

 私の考え方としては以下のようになります。

1.診断書病名と診立て

 診断書病名の多くは「適応障害」「うつ病」で、「統合失調症」や「アルコール使用障害」といった病名は本人や外来でメリットがない限り出てくることが少ないです。発達障害ではそれ自体では休養の理由にならないため、復帰では上記の疾患から考えます。

 「統合失調症」「うつ病」「躁うつ病」など内因性疾患では朝起きれない=社会復帰できる状態に到達していない可能性があります。
 統合失調症では朝起きれないことで休息期にいる可能性があります。休息期でいきなり動かそうとすると再燃する可能性があります。
 躁うつ病ではうつ病相に入り朝が遅くなっていると考えられます。
 うつ病は元々几帳面な方が多く、朝の時間を守ります。遅くなっているということは復帰を焦っているかもしれず、急いで復帰としない方がよさそうです。

 「アルコール使用障害」ではお酒の影響で朝早く起きる傾向があり、遅くなっているのは併存の抑うつ状態が悪化していることか、断酒しきれていないことが想定されます。復帰の際にルールをあやふやにしない方がよく、スケジュールを整えてから復帰してもらいます。

 「適応障害」が残りますが、この層は復帰時に面談をするとほぼ通常通りの様子で、職場から見ても「ほぼ休み前と同じ状態」と言われます。面談で危ない様子でなければ復帰できそうです。

2.昼間の行動、夕方から夜間の行動

 昼寝をしているとリズムが崩れるのが当然であり、23時に寝るのを習慣づけて復帰とします。昼寝をしているのであれば、昼間作業する時間を作り、自分で寝ずに動く時間にしてもらいます。

 夕方から夜にゲームをしているなど、時間がありすぎる場合はどうでしょうか。余暇ばかりになってしまうのであれば、疲れて寝るようにします。夜だらだら夕食を取る時は飲酒していることもあり、病気休業中の飲酒は他の社員の手前もありますし、再発予防の観点からも断酒から取り組みなおしてもらいます。

 朝仕事ができるかどうか、通勤時間を考慮し起床時間が問題なければ復帰の最低条件は満たすと考えられ、復帰を試してもよいかも知れません。

3.年齢

 年齢も試してやらせる判断基準の一つです。社会人経験を慣れていくこと身につく習慣もあります。若い人は内因性疾患でなければ、試す方向で準備させることが多いです。

 問題は年齢が上がるといろいろな意味で老獪になることもあります。病気による休みを繰り返すと悪い意味で慣れてしまうため、産業医や上司が変わる時点で仕切り直し、過去の慣例を見直すことも本人にとってプラスに働きます。


 ベストな回答がないため難しいですが、上記のような基準がある方が復帰を目指すひとにとってもわかりやすいと思います。

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