2件のニュースから刑法39条を考える

 心神喪失について考えるニュースが出ていたので、内容を整理したうえで自分なりの刑法39条についての考えを記述していきます。

刑法39条とは

 刑法39条の条文は以下の通りです。心神喪失・心神耗弱は精神状態により

  1. 心神喪失者の行為は、罰しない。
  2. 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

心神喪失により不起訴になった事例

面識ない21歳男子大学生を包丁で刺した韓国籍30代男性を不起訴処分…「心神喪失と判断」函館地検

 外国籍のため治療を要する場合にどこで治療を受けるか、という問題もありますが、精神疾患がある→心神喪失により刑事罰を受けないという結論に至っています。うつ病100万人時代に突入し、万が一のトラブルで心神耗弱を訴え刑の減軽を訴えることが多くなるかもしれません。

 この条項により、やられても何も言えない、PTSDという形で国への補償を求めるしかなくなります。

 また、「責任能力がない」と判断された人を社会でどういう処遇を取っていくのか。精神科病院の縮小により地域で生活を進めていく中で、社会の受け入れのハードルが高くなるかもしれません。統合失調症だから心神喪失、という形で安易に話を進めるのは一度考え直した方がよさそうです。このような裁判にこそ、民間や客観的にみれる法律家の意見が必要です。

心神喪失・心神耗弱が生じていた事例

 一方で、痛ましい事件もありました。これについては祖母を殺さなければ本人が自死していたかもしれず、執行猶予よりも本人への支援が必要なのでは、と感じる事例です。

「限界だった」たった1人の介護の果て なぜ22歳の孫は祖母を手にかけたのか

 介護疲れによる抑うつ状態は睡眠時間から見ても明確であり、苦悩の上での行為であったことは容易に推測されます。

 現代ではこのような事例に刑法39条が適用されるため、病気だから丸ごと減軽・免責にするのではなく、心理的背景を精神鑑定で判断した上で適用を検討するのがよいと考えます。


 ではどうすればよいか。病気に皆がなりたくてなっているわけではないのは確かです。ただこれからは適用範囲を狭めていく、39条の改正を行わないと、弁護士の時間稼ぎのための精神鑑定作戦が減らなそうです。社会の風潮も変化してきており、医師も弁護士も過去の慣例から離れて変化する時期に来ているのだと今回のニュースで感じています。

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