鬼滅の刃に見る時代背景:結核の流行

 鬼滅の刃の映画無限列車編がテレビで公開されました。

 無賃乗車等ネタも挙がっていますが、時代背景を的確に調べて描写していることが印象深かったです。刀を隠して汽車に乗る、といったこともですが。

 良い夢を見させてほしい子が夢に入り込み、無意識の層を探してその中の精神を破壊する、ということについては無意識に精神の中心がある、といったエスとか精神構造を描くには分かりやすく感じましたが、これは他のテーマで考えてみます。

 今回は炭次郎の意識に入った男の子が病弱で、結核に罹患していたようで良い夢だけでも見させてほしいという思いから鬼に心の隙をつかれたのでしょう。背景描写として当時結核は流行していたのでしょうか。

結核の歴史

 B.C.1000年ころのエジプトのミイラに骨結核の跡が既にあったため、結核自体はかなり昔から存在していました。

 日本では弥生時代の人骨で骨結核を認めたようで、大陸から渡ってきたものと考えられています。

 古くは魏の曹操、日本では正岡子規をはじめ、新選組のは正岡子規をはじめ、新選組の沖田総司や石川啄木、樋口一葉、高杉晋作といった各界で出ていたようです。

 流行は劣悪な労働環境や過労が影響しており、日本では19世紀末から20世紀初頭の富国強兵政策の下で紡績工場で多数の肺結核罹患者が発生し、亡くなっています。

 BCGは1921年にパリにて発見され、乳児への予防効果が示されています。また、1943年に結核治療薬の一つであるストレプトマイシンが発見され、その後次々に治療薬が開発されていきました。1921年以降は感染が徐々に減っていきます。

時代背景から考える心理への理解

 結核の流行は物語が描かれた1910年代はBCGができておらず、また労働環境もよくないため結核の感染や流行の真っただ中であり、結核で体が弱いのもまれでない事象と考えられます。治療薬がないので外に出れず罹患してしまうと死が隣り合わせにあり幸せに生きることが難しかったと考えられます。夢だけでも幸せに、という囁きに心を許してしまうのは分からなくありません。

 ちょっと時代が遅く生まれ、生きていればこのような囁きに耳を傾けることはなかったのでしょうが…

 

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