「辞めてもらう」という相談

 産業医の仕事をしているうえで、「〇〇さんを辞めさせたいんですけど」という相談が来ることがあります。

 できる限り適性を考慮したうえで、会社にとどめることを検討したいものの、適性が合わない場合、職種限定での契約の場合は退職という選択肢も出てきます。

会社が合理的に考えられるかどうか

 労務が機能している場合は営業成績・クレーム件数など客観的な評価を含めて判断します。研修での到達度などを準備している場合もあります。

 産業保健に相談が来る場合は労務が機能していないケースが多いです。労務の問題が健康問題に移って理由を考える、会社の各人の役割が機能していないことが原因にもなります。

 転職してきた方々の試用期間評価はやや厳しくなります。健康上の問題で休みが多くなる場合、今後は適応していくうちに休みが減っていく見込みがあるのか、休みを繰り返していくことが予想されるのかなどを判断します。会社側でギリギリだけど契約しても、違う職場が見つかった場合はためらわず辞めていくことが予想されます。職場が許容して残したとしても、突然やめることも想定しなければなりません。

 以下のようなことを契約更新面談で尋ねることを想定しています。労務など実際の人事を行う担当者より外野のほうが話が出ることはよくあります。

健康上の問題

  • 現在の体調
  • 既往歴:喘息、アレルギー性疾患、腹痛など身体表現性障害にかかわる病気は注意
  • 家族背景:家族の状況、配偶者の仕事状況

業務上の問題

  • 前職:前職の業務内容・業務歴、転職理由
  • 現在の業務への思い:職場の雰囲気、忙しさの主観的評価
  • 通勤:通勤時間と手段、通勤中の体調不良の有無

 話の内容から、本人の性格傾向を考えます。適職でなさそうな場合はほかの職種に移すことを検討しますが、契約上業務を移せない場合があり、その時は退職の話も出してみます。

 会社から辞めてもらう、ということは悪いことばかりではなく、会社から伝えることで現実着地につながることもあります。

 上にも述べましたが、本来は労務が到達度を基準に考える問題であり、産業保健が健康状態を理由に辞めさせるのはおかしな話で差別にもつながります。あくまで本人の将来的に残すのが幸せか、残さないのが幸せかを考えたうえで本人や職場に伝えるに過ぎないものと考えています。

 

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