薬剤による認知症

 薬剤による認知症は、問診をしていると被疑薬が分かることが多く、自分自身も処方により悪化することは常々注意しています。「状態がかえって悪くなるなら中止」と伝えた上で、特に高齢者では慎重に対応をしています。

認知症を引き起こす可能性のある薬剤

 認知機能に影響を及ぼす薬剤は多いですが、特に影響の大きい薬剤を以下に挙げます。

抗精神病薬

 フェノチアジン系…クロルプロマジン

 ブチロフェノン系…ハロペリドール 他

 非定型抗精神病薬…リスペリドン、オランザピン、

ベンゾジアゼピン系:高力価、短時間作用のものに多い。長時間作用型ではせん妄様の動きを呈することが多い。

抗うつ薬:抗コリン作用を有する三環系抗うつ薬などは特に注意。アナフラニールなど

抗けいれん薬:バルビツール酸系やフェニトインが該当する

ステロイド:多弁などを呈する

抗菌薬:ペニシリン系等

抗ウイルス薬:アシクロビル等

降圧薬:レセルピン、プロプラノロール等

抗腫瘍薬:シスプラチン、インターフェロン等

 認知症の経過は慢性経過で、いつごろ始まったのか、少なくとも始まった日を特定することはできません。一方で薬剤による認知症は急性変化で「○月○日から」という開始日を周囲が特定でき、その間に薬物療法が開始された場合は薬がある程度特定できます。

 上記のように抗腫瘍薬や降圧薬など、治療方針がかなり変わってくる薬剤も出てきます。主治医の先生や外来に家での様子や変化を伝えた上で、家族からの治療方針の意向とすりあわせていくのが良いです。

 抗精神病薬などは止めた場合のリスクを考えます。元々始めた理由が何か、開始して何が良くなったのか(攻撃性や強度の不安など)、若いころ開始している薬であれば減薬する方がよいこともあります。絶対に必要なものか常々相談していくのが良いでしょう。

 上記には挙げていませんが、抗認知症薬として使用してる薬剤も逆に「認知症が悪化した」ということになるケースもあります。必ずしも添付文書に記載されている効果と実際の変化が一致するとは限りません。目に見える状態を見て許容できない状態であればいったん引いて考えるのがよいと考えます。

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