健康診断結果による就業判定

 定期健康診断を受診後、就業に支障ない状態もしくは受診し治療開始しないと危ない状態かを判断し、本人に判定結果を返しています。

 就業制限を多く出すと業務に支障が出るものの、放置してしまうと会社の問題が問われてしまうため、判定基準は企業の部署・衛生管理者・産業保健スタッフから様々な意見や相談を経た上で決定しています。

 複数の会社を渡り歩いていると、おおよそ似た数値で就業制限をかけていることが多いです。就業判定について今回は考えてみます。

会社が責任を負うのはなぜか?

 本人を雇う以上会社には安全配慮義務が生じるため、たとえ本人の不摂生が原因だとしても業務で倒れることがあれば会社が不適切な状態で本人を使用したことによる労働災害となります。

 体重が3桁で生活習慣を変えないとしても、「変えないからしょうがない」と放置すると会社は本人に適切な指示を出していなかったということになり、先程出た安全配慮義務違反になります。

実際の数値基準

 どの会社でも似たような数値基準になってきます。ただし就業制限のかけ方はさまざまであり、一定数値以上は本人が受診を拒んだら上司が同行する、その場で就業停止する、産業医面談後一定期間内に受診しなければ就業停止、といったパターンがあげられます。適切なタイミングで受診勧奨がかけられれば良いわけです。

血圧

  血圧は180/110以上で就業制限とする企業がほとんどです。根拠としてはⅢ度高血圧がこの数値基準に該当し、初診時に直ちに降圧薬治療という流れになります。条件や有無を言わさず治療に入るので、この基準が就業停止してでも受診してもらう基準になっています。

血糖

 血糖だけだと健診の前なのにうっかり食べてきてしまう人がいるので、1か月間の糖の状態を評価するHbA1cも同時に評価をしています。

 ガイドラインではコントロール不良者のゆるやかな目標でHbA1c8.0という数値目標があるため、この数値は一番厳しい就業不可ラインに相当し、空腹時血糖200、HbA1c8.0が就業停止の一つの目安となりますが、就業停止の人数がかなり出てしまうためにHbA1c9.0や10.0を区切りとしている場合もあります。会社側の余裕と人数規模によってこの数値基準は変わっていることが多いです。

貧血

 若い女性では数値が低くても「これが正常」という人もおり、数値基準を決める場合と受診勧奨で就業制限までは行わないところで分かれてきます。

 ほかに心電図や胸部レントゲンなど、数値で出るものには肝機能などもありますが、即倒れる可能性は血圧・血糖・貧血のほうがあり得るため、これらが就業制限の軸の数値になると考えています。

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