睡眠の薬物療法vs非薬物療法

産業保健

 不眠や過眠によりリズムが崩れ、会社に来れない場合に主治医と休暇中の過ごし方で意見の相違が出ることが度々ある。

 多くのパターンは「薬で睡眠をきちんと整えてからリハビリ期間に入る」と「薬よりもリハビリを行い活動性を上げて睡眠リズムを作る」という「薬が先かリハビリが先か」という対立である。

 リハビリに慎重になるのは主治医としては「朝起きれずデイケアに行けないと呼び出したりスタッフが苦労する」というスタッフへの気遣いからということがある。ただ、これまでデイケアに依頼するときにリズムが崩れていても受け入れてくれることが多いため、動かしてよい病態像であれば早めにデイケアに入れる提案をしている。

 不眠の場合に睡眠薬を使用することも多いが、私の使用経験から有害作用が時々出ることもあるので、本人の希望がなければ私の方から試すということは少なくなっている。

 睡眠薬は徐波睡眠が増えるため、「夢をよく見る」「頭が休まった感じがしない」ということは使用感想で聞くことがある。高齢者では筋肉の弛緩によりふらつき、転倒の原因になる。アルコールと同じ部位に作用するため、抑制が取れて気が大きくなり暴言や興奮状態になることもある。冬は炬燵から出れなくなり、火傷した事例もあるため、使用する目的やメリット・デメリット、終了の目安を予め決めておき、問題があれば速やかに中止するよう開始時に伝えている。

 外来のみの支援では診療時間も短く限界があり、できそうなことは早めに手を打つ方がよい。デイケアやリワークを「問題なく過ごす」ことが目的ではない。職場復帰の場合は、これらの施設は復帰の途中段階であり、練習で失敗することでそこから失敗のパターンを見つけられる可能性も出てくる。

 主治医と直接やり取りできる医療機関もあるが、書面のみのやりとりでやんわりとデイケアへの促しを断られるときには私も非常に歯がゆい思いをしてしまう。

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