薬を飲まず回復したケースの復帰判定

 職場復帰の面談では、療養中の経過を本人からお聞きしています。

 その際に「薬を飲まずによくなりました」と話される方がいます。

 治療を適切に受けていたのか、何が変わったのかなどを聞いていきますが、薬を服用しない場合はどのようなことが考えられるか検討してみます。

服薬が必要な状態なのか

 そもそもの話ですが、職場不調に陥った場合、疾病はどのようなものが想定されるでしょうか。

 適応障害で診断書が出されることが一番多いです。職場環境や業務・上司との相性など、理由が明確で不調に陥ったのであれば、職場環境を離れれば回復するので薬は不要です。

 ほかにはうつ病が想定されます。単極性うつ病は時間経過とともに回復するものの、服薬により立ち上がりが早くなるので休業期間の短縮につながります。初診時には上記の環境要因による状態悪化と見た目は変わらないため、最初から抗うつ薬を出すことも少なくありません。後から薬が本当に必要な状態だったかを振り返ることになります。うつ病の場合は律儀な方が多いので、主治医に薬飲みなさいと言われたら素直に従うことも鑑別店です。

 双極性障害はⅠ型、Ⅱ型があり、Ⅰ型は躁、Ⅱ型は軽躁の状態を呈します。躁はあとのうつ状態が怖いと言われますが、躁だと周囲がコントロールできなくなることが懸念されるため、派手な躁のⅠ型は予防薬が必要になります。Ⅱ型は周囲が困ることが少なく、抗うつ薬により派手な躁状態になってしまうことがあります。うつ状態でそれなりにやれるのであれば薬は必要ないでしょうし、うつがひどくなるのであれば気分安定薬を予防的に服用するなど、再発時の対策を本人に考えてもらいます。

 話が逸脱する統合失調症は、服薬中断率が高いですが内服継続が必要な状態です。通院中断することもあるので、主治医に状態像を問い合わせるケースが多いです。

 アルコール使用障害は睡眠薬や抗不安薬を服用しているケースは懸念されます。これらの薬が増えていくことや抗酒薬がいつの間にかなくなっているケースは再燃していることが多いです。途中経過で薬の変更は注意していきます。

 上記を考えると、双極性障害Ⅰ型・統合失調症の内因性疾患は服薬が必須と言えるでしょう。ほかは本人の意向や主治医の見立てを参考にします。

再発予防は丁寧に聞く

 薬がない分、回復したら主治医も診察終了することが多いです。そのため、再発予防はきちんと考えてもらい、同じような状況になったらどうふるまうか、面談前にしっかり考えてもらいます。

 一般的なセルフケアでは終わらせず、同じような先輩に言われたり、業務が断れず繁忙になるなどはよくあることです、二の轍を踏むことがないように作戦を練っておきましょう。

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