病気をおして無理して働くという事例は少なくなったと思います。少なくなったにも関わらず休みという撤退ができない背景について考えてみます。在宅勤務が増えた企業では通勤負担が減った分勤務できる人は増えているものの、実際のパフォーマンスが落ちているプレゼンティズムが増えています。
休めない理由
金銭の問題
本人が休めない理由には、金銭的な問題が大きいです。会社の休職制度によりますが、有給休暇・病気休暇・休職などの制度を利用し休業しますが、制度切り替えのタイミングで戻るケースは多いです。復帰のきっかけとしては妥当だと思います。
私の上司が休業した際に復帰のきっかけを尋ねたところ「金がなくなるからさ」と言われました。家族がいればなおさら金銭面は大事になります。
下記の例は就業規則を確認した企業の例です。有給から無給の切り替えが復帰のタイミングになりますが、休職期間満了まで手当が発生する場合はぎりぎりまで休んで判断するという戦略が可能です。
手当付き病気休暇制度 | 休職期間 | 休職期間手当 | |
A社 | あり | 2年 | あり |
B社 | あり | 1年6ヶ月 | なし |
C社 | なし | 1年 | なし |
家庭の事情
ゆっくり休養するには家族の支援が必要になります。ただし、休業期間が長くなると家族関係が悪化し、子供たちから疎まれたり配偶者が離婚を考える事例も発生します。
家で休めない状況であれば、実家に戻る・離れて生活することも考えなければなりません。家庭の事情は周囲が関与できない部分なので、今後のことを家族で話してもらう必要があります。
職場を変えたいが変えられない
環境要因が大きいものの、不景気もあり次の仕事が見つからず行かざるを得ないケースもあります。今の仕事が合わないですが、じり貧になるのは間違いありません。一時的な収入が得られなくなりますが、職業訓練をして別のスキルを得て転職の選択肢を増やすことも考えられます。
入社しやすい会社が職場環境良好と言うことはありません。余計に悪くなることがあるので、診察時やスタッフにも転職時は相談しておくとよいです。「やめとけ」と言われたら一呼吸おいてみましょう。
本人の考え方
無理して働いているのは会社としてもヨシと言えません。安全配慮義務が発生するためです。明らかにパフォーマンスが落ちているときに働くのはミスも増えます。
このタイプは自分の身体に聞いてみる練習が必要です。不調のサインに気づいているかどうか。瞑想やマインドフルネスは身体の暖かさや自分の身体の感覚に気づけるので、おすすめしています。
考え方で無理をする人は、自分の悪化のサインを聞いています。サインに気づいているか、向き合っているかは復帰の時に必ず確認をしています。
会社優先の考え方が高度経済成長を支えていましたが、今は自分を大事にすることをまずは考えましょう。自分が元気でないと他人を守れません。
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