統合失調症の家族教室の準備を進めているので、統合失調症についての話をしていきます。
一般的に言われていることを具体的にイメージしながら、疾病について理解していきましょう。
今回は疫学・統計についてです。
数字でみる統合失調症
100人に1人
統合失調症には100人に1人がかかると言われています。現在はうつ病100万人時代と言われていますが、数としては大きく変わりません。満員電車になる前、1車両に人がぽつぽつ立ち始めたあたりで100人を超えます。1車両に1人いるということなので、そこそこの人数がいるというイメージです。
別の数字で考えると、小さい体育館に避難した場合、100人は収容できます。その中に発症した一人が独特の動きをするため噂になることもあります。マンションに1人くらいは普通にいる計算です。
1/3
転帰を示す数字です。1/3が完全社会復帰で就業、1/3が日常生活レベルに支障なく家庭内適応、1/3が入退院を繰り返して安定します。昔授業で学んだ数字ですが、現在は精神科病床の減少と訪問診療の拡大、新規抗精神病薬が主流になって以前より陰性症状が目立ちにくくなっていることなどから、この数字は良い方向に数字が変化しているかも知れません。
皆が病院にいるわけではなく、家で役割を得て淡々と過ごす人も多いようです。
勤務先でも時々統合失調症と思われる方と面談する機会があります。環境次第になりますが、適応できることが多いようです。
90%
初回発症時の症状収束する割合です。初発で症状が出現しても、高い確率で収束します。周囲としては心配になりますが焦らず見守ることが大事です。
再発8割
服薬を中断した場合、高い確率で再発します。薬が効かない、副作用が困る等ということがありますが、継続できるように支援していきます。必要に応じて持続性注射剤を使用するなど、薬を維持できるようにしていきます。
10代から20代
統合失調症は若年発症が多く、そのため進学や就職をどうする、という話が出てきます。自分で勝手に決断せず、家族やデイケア、主治医にもきちんと相談した上で決めましょう。
デイケアでも就労の話が必ず取り上げられます。年代の近い人が多いので、成功談・失敗談を得ながら自分の進路を考える機会に利用してもよいと思います。
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