仕事での不安回避に対する配慮

産業保健

 「うつに優しく」という言葉があるものの、現場全体への配慮がないと周囲は押し付けられたと感じるかもしれません。
 仕事での配慮は合理的であり、検討可能かどうか、契約内容を含めて不安回避への配慮は検討されます。すべて配慮は難しいと思います。

不安症状による業務への影響

 不安症状による業務への影響は、どのようなものが挙げられるでしょうか。

  • 電車に乗ると気分が悪くなるので途中で降りる。会社に来るのが大変なので在宅勤務を基本にしている。
  • 電話を取ろうとすると手が震えてしまい、他の人に電話を取ってもらう

 上記はパニック発作と呼ばれるものですが、業務への影響はどのようなものがあるでしょうか。

  • 出社できない人の代わりに誰かが出社する。
  • 電話取次ぎをその人を除いて担当を決める。

 誰かがその分をカバーするので、代わりの人の不満が増えるかもしれません。多くの人を抱えている部署であればよいものの、2人体制であれば相方の了解が不可欠になります。周りの意見も聞いた上で配慮を検討することになります。

 職場の電話はクレーム処理担当であれば、疾病有無にかかわらず受けたくないものです。電話の回避は業務に支障が出る可能性があります。

 これらの配慮は、業務があらかじめ指定されている契約であれば、業務遂行不可ということで休職となることがあり得ますが、総合職の場合は配置転換が検討されているか、検討まではしないとトラブルの際にもめること間違いなしです。配置転換が選択肢に残るか否かで、企業側の動きもだいぶ変わってきます。

 コールセンターで電話が取れない、だと職種限定の契約であれば休職となりますが、総合職の場合は配置転換の意見になります。同じようなことが2か所以上の所属先で発生するようであれば、治療で安定を図ってから復帰という意見が出ることもあります。

あらかじめ「できる」「できない」は決めておく

 現実的でない配慮は復帰の場面できちんと断ることで、後のトラブル回避につながります。検討できるものは検討したうえできちんと返事することが大事です。できないことを言って調子を崩すことを心配する上司もいますが、できないこともはっきり言いましょう。

 いうことで次の妥協点を探すことになります。お互いが納得するまでは時間がかかるかもしれませんが、現実的な落としどころを決めていく過程は本人と会社の信頼関係の構築につながります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました