若い人への教育の方法をどうすればよいか悩む上司の方の相談が時々あります。
最近の管理教育は整備されている企業が大多数であり、パワーハラスメント対策はしっかり教えられており、圧力をかける伝え方はダメ、などべからず集はどこの会社でもできているようです。
一方で、こうやってほしい、という型はあるものの、上司が「そうは言ってもねえ…」と自分のスタイルを変える気がないことが少なくありません。上司は型があるほうが部下は動きやすいものの、相談を受ける際は受け身で対応する必要があります。
階級が上がると発信力が上がる
セルフケアと異なり、ラインケア(上司や職場によるケア)は実施者が業務について精通していることもあり、指導方法が上手なケースが多いです。自身の指導方法まで変えようとするから管理者も調子を崩す原因になります。あくまで話を聞く姿勢や部下の不調時の対応について考えることにします。
基本は発信、重要な話のときは受信の姿勢
優秀な上司は発信力があります。言い換えると人の口説き方がうまいということになるでしょうか。伝える力は十分にあるものの、それが不調者にとっては言い出しにくい原因となります。
- どう話を切り出したらいいんだろう…
- また口車に乗せられてしまうんじゃないか…
発信力があるからこそ、不調者からこのような発言が出ることになるわけです。上司の強みが部下にとっては言い出しにくい原因となるわけです。
この場合、上司は姿勢を変える必要はありません。
「話を聞く姿勢」・言葉以外の態度で示すことが大事です。
自分が話を聞く気持ちがあります、という姿勢で臨みましょう。
管理職で自分の対応する部屋があればその部屋で話を聞くのもよいでしょうし、会議室をとって相手と1対1で応対します。自分は口を挟まず、本人の思いを受け止めます。
時計をちらちら見ることは避けましょう。相手に遠慮させてしまうので、30分かもしくは60分の時間をとって相手をせかさないようにします。短いと話がまとまらず本人も思ったことを言えなかった、で終わるケースも多いようです。自分の態度の余裕にも影響してきます。
矛盾や疑問があるかもしれませんが、話を遮ると不満が残る、「これを言いたかった」ということが時々あるため、遮らずに話をさせていきます。時間がない場合は切り上げるものの、今日は聞けないが…と次につなぐ人-産業保健スタッフやキャリアコンサルタント、人事部など-を挙げながら面談を終了します。
聞いておけばいい、と聞きっぱなしにする企業もあるようですが、不満が噴出するケースが多いようです。聞いたからには管理部でやれることは何か、やれなければ次善策を話し合うなど、一方的に終結は避けるようにします。
「話を聞く」に終始してしまいましたが、頭でわかっていてもひたすら聞くのは慣れても難しいものです。この対応でよかったのかなど、心理士や産業保健スタッフを巻き込んで相談するのも悪くないでしょう。
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