私立中学受験の過熱ぶりを見ていると、公立教育での問題も影響しているように感じます。ここ数年の受験はコロナの影響で学校単位で迅速に動いた私立と、市区町村や都道府県単位で動きを統一させようとして動けなかった公立の差が出ているように感じます。
私自身は公立中から受験で公立高に落ち私立中へ、国立大に落ちて私立大に行ったこともあり、公立教育の基盤はしっかりしていてほしい、それは高等教育だけでなく小中学校の教育でも基本は抑えてほしいものと考えています。
友人から「子供が教室でウロウロしたりお友達をたたいてしまって困っている。発達障害という言葉があるが、そうなのか」という相談がありました。伝聞ではあるものの、大まかな方針の決め方を考えてみます。
対策の選択肢は
精神科への受診が必須なもの、そうでないものをまずは分けてみます。精神科の予約、特に発達障害がらみは予約をとれないことも多く、できるだけ医療以外の選択肢を考えていきます。
対策は大きく分けると「治療が必要なもの」「対応の工夫が必要なもの」に分かれます。
治療が必要なものは薬物療法が確立されているものであり、ADHDが該当します。誰が対応しても同じ行動結果になり、衝動性が自分や周囲で抑えるのが難しいのであれば薬物療法を検討します。ただ、成長への影響も考慮したうえでの対処になります。
対応の工夫が必要なものは、周囲の対応次第で変わる可能性が高いものです。父親が来ると落ち着く、特定の怖い先生が来れば派手な動きをしない、暇ができると動き出す、周囲が落ち着かなくなると動き出す周囲の影響を受けやすい子など、普段の授業をオープンスクールで見ているとそれぞれの対策が見えてきます。
マニュアルは本当に正しいのか
対策マニュアルを作っている・読み合わせの時間を作る学校もあるかもしれません。ただ、マニュアルが緊急事態・学級崩壊など有事に適切かどうかは吟味が必要になります。
例えば、子供と同じ目線で話すという行動があります。子供と対等に対話する上では望ましいものの、叱るときには同じ土俵で言い返す子も出てきます。大人からやってはいけないことのメッセージを伝える上で、上から目線ではないですが立って叱ると威圧感を感じます。違反行動には言い訳は聞かない・ダメ、という言葉以外の伝え方も必要です。
叱るときは別室で叱るのがハラスメント対策にはありますが、これを教室で応用すると、担任がどうしても教室を離れる時間が生じます。その間教室の運営がストップし、暇ができた子がうろうろし負の連鎖を生じます。その場で短時間で叱り、教室が静まり返る雰囲気をやってしまった子も感じます。言葉以外の空気を感じることが本人の行動修正につながります。
先生だけでなく会社でも行動が委縮してしまう管理職が多いですが、教育者や管理者への指導でがんじがらめになってしまい、「できることは何だろう」と悩んでしまうことが多いです。叱る=悪のみではなく、どうしてもの時にどのように叱るかまで対策を立てられるとよいです。当然親御さんの協力が必要なため、保護者会でこのように動くというのを職員から発信すると、保護者は安心するでしょう。
②へ続きます。
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