再発のサインについての一考

  抑うつ状態で休職し、リワークやデイケアで認知行動療法を行い、体調が戻ったところで職場復帰する。復帰後に話を聞いていると、「調子が悪くなる前より不調のサインが出るのが早くなった気がする」とのこと。眠れない、イライラ、たばこの本数が増える、胃がむかつく、食欲がなくなり家ですぐ横になってしまう…など。

 再発の兆候の時に無理しない、というのが対応としては多いが、問題が起きそうな場面を回避するだけでは対策が打てないことも事実である。回避した結果、仕事が振られなくなり職場にいづらくなり再休職…といった具合である。

 「ピンチはチャンスである」といったように、不調に陥った時と同じような場面に出会ったとき、自分でこれまでとは違うシナリオを描けるかどうかは実際にやってみないと分からない。その場面を乗り越えれば本人の強さになり、また調子を崩すようであれば、他の対策を立てる必要がある。この場合の考え方としては「再発を恐れない」ことである。

 万が一負荷をかけて休まれたら困る、と言われる職場も当然あるが、「今後波風立たなければ負荷はこれ以上かけることは難しくなる」ことを説明し、再発ありきの考え方を職場にも受け入れてもらう場合がある。それなりに業務ができており、今休ませるとまずい場合は、無理をさせる時期を今ではなくこの時期に、と日程を先に決めておきそのばしのぎの先延ばしを避けるようにする。

 再発の兆候に気付き、兆候が出やすくなったのは、状態が悪化しやすくなったわけではない。体の反応に自分が気付きやすくなっただけなのだ。

 そのサインが出たときにどう対応するかが課題である。環境の問題を整理し、職場の人が急激に減る、客先のきつい人の対応が辛い、家庭の問題の悩み…など自分の中で考えられるものの中から、解決できそうな問題を片づけて問題を減らしていく。反応が出たときに何ができるかを見極めるのが大事である。

 問題が起きたときの反応について、下記の図で問題や自身に起こる反応を整理していく。医療機関によって得意分野も異なり、うつ状態でも身体反応の治療から入る場合もあれば行動の変化から促す場合もある。

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