介護力・支援力と精神疾患

 「酒でどうしようもなくなったから、入院させることはできないのか」

 この意見は、飲酒問題で影響が出たときに家族や支援者が「どうにもならない」から出てくる言葉である。精神疾患でも家族が「抱えられない」ときに同様の発言が出てくる。

 本人の同意がなければ任意入院はできない。医療保護入院といった本人の同意がなくても配偶者等の同意で入院させることもできるが、状態が危機迫っているなど精神科的問題がなければ医療保護入院は不適当である。

 家族に抱えてもらう部分が多いものの、家族関係次第で抱える力=介護力・支援力には大きな差がある。

 献身的だが定期的にデイサービスや兄弟にお願いする、デイケアに行ってもらうなどのことができ、自分の役割を決めて無理のない範囲でやれる家族は介護・支援力は十分なことが多い。逆に一人が丸抱えする、すべて放棄という時には介護・支援力が乏しいことが多く、家族面談を行うと「どこか他人事」のような印象を受けてしまうのである。

 酒や問題行動による暴力などで「もう関わりたくない」という家族も少なくない。ただ、話すタイミングを選ぶことで暴力を振るわれることなく次の一手を本人と話しあうことも可能である。「だまし討ち」で無理やり病院に連れて行くと、外来に切り替わったとたんに「あの時はよくも病院に押し込めやがって」と報復されるケースもある。

 暴力であれば警察を呼ぶなど、家族にとって望ましくない行動に対してはしかるべき行動をとることで本人の考え方に変化が生じることもある。

 医療は現実逃避や家族関係・金銭問題などすべての受け皿ではない。家で何ができるか、まずは家族だけでも受診や家族会に行ってみて役割を考えてみたり、対応の仕方を周囲の家族の話からヒントにできるとよい。

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