新型うつ病をかみ砕いて解釈する

 メンタルヘルス対策として、職場教育でセルフケアおよびラインケアの研修計画や資料作成を行っている。研修での意見を見ると、自分が会社の中で見えない部分が見えてきたり、本当に知りたい部分が分かったり、「自分がどういう部分で期待されているか・必要でないのか」を知れるので非常に勉強になる。

 意見で多いのが上司が「対応に困る」ケース。関係が悪いのが原因ということも少なくなく、それまでの職場異動歴や健康診断記録、上司と本人からのヒアリングを踏まえて対策を検討している。

 研修では総論で印象を話しているが、若手の場合は上司が「新型うつ病」と言い切って相談に来ることも少なくない。遊びや飲み会の時は元気というだけでこのレッテル貼りになっているのはどうしたものかと自分としては考えてしまう。

 業務遂行能力は”悪くない”のであれば、どのような点で上司が困っているのか、具体的な問題を挙げてもらう。朝が弱くて遅刻が多い、報告連絡が遅い、周囲の社員とトラブルでよく揉める…など。治療というよりは本人に上司が困ることを簡潔に伝えるほうが解決できることが少なくない。治療に入ることで逆に仕事中に眠くなる場合もあるため、業務ができる場合は指導や話をしてみてから医療機関を受診するか決める。

 業務遂行能力が”悪い”のであれば、実際の業務で得意、不得意はあるかどうかを上司がまずは見てみる。電話をひたすら避ける、業務日報などまとめが強い、会議中の集中度が最初の部長の話のときだけ落ちる…など。能力のばらつきを伝えてみて、本人がそのことを意識するかどうかで判断が変わる。本人の希望があれば医療機関へ紹介し、得意不得意が見える場合は職場で得意な分野を伸ばしながら、苦手な分野へのアプローチを検討していく。

 マスコミが取り上げた新型うつ病、変なカテゴリーを作ったために対策を練るのに少し苦労する。この問題の後始末はまだまだかかりそうである。

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