精神科医の”決め台詞”

 産業医として精神科医の先生に社員さんを紹介し、経過順調に戻ってくると、また他の方の不調時に同じ先生に依頼することが多い。何例か症例が蓄積すると、先生の決め台詞といえる定型語が見えてくる。印象に残った言葉を挙げてみる。

それはあなた自身の問題です。

 決断を医師に委ねるのではなく、本人に決めてもらう。相手に決断させて失敗すると遺恨や後悔につながる。医師はそこまで決める立場でもない。現実とどう折り合いをつけるか考える上でも、いい言葉だと思う。

夜11時に寝る。

 小児科のあとで精神科に入ってらっしゃった先生のフレーズ。リズム崩さずに生活させるため、夜更かしをさせない。どの病圏の方にも適用できるフレーズである。

命があれば私は何とかできる。

 自殺企図および自傷行為後に本人に伝えたフレーズである。危機迫った状況で本人の腑に落ちたのか、その後立て直して安定に向かったケースだが、ここまで自分も危機迫った方に言うことができるだろうか。迷う時点で自分に覚悟がないということなのか。主治医になるということは、その覚悟をしているということを考えさせられた。

 私自身がよく使うフレーズは何か考えたが、「朝は起きる、何か食べる、酒飲まない」だろうか。休みに入るときにどう過ごせばよいかのアドバイスを精神科の先生が言わないケースもあるため、シンプルに伝える言葉を決めている。

 自分も成長すると、新たな決め台詞が出てくるだろう。

 

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